スウェーデンの方針転換

4月6日のtagesschauによれば、オーストリア首相セバスチァン・クルツは、外出制限は4月末まで延長されるものの、4月14日以降厳しいコロナウイルス対策を緩め、小規模な店やホームセンターなどの営業を厳格な規則の下ではあるが再開させ、5月1日からはすべての店舗、ショッピングセンター、理髪店などを、そして早くとも5月中旬からホテルや食堂なども再開させると発表した。

一方で、ほとんど通常通りの生活が営まれているスウェーデンは、ここに至ってこれまで緩い対策を方針を転換して、厳しい対策へと方向転換しようとしている。(tagesschau April. 6.)

「病院にとってはもっとひどい状態になる。今週、来週、来来週も同様。その後転機が来る。その後暫く患者数は高止まりしてから減少する。ストックホルムではそう考えられているが、その他の地域では疑問視されている」と、スウェーデンテレビ(SVT)のJohan Gieseke は述べている。

Gieseke は、現在ほとんど毎日報道関係者の前に登場し、新しいコロナウイルス患者の数を挙げて、これまで比較的穏やかなコロナ患者数に対する対策を取ってきたスウェーデン方式を支持している Anders Tegnell の前任者である。

しかし患者数は次第に増え、現在役7200人の感染例が確認され、およそ500人の死者が出ている。

社会民主労働党と緑の党の少数与党は次第対して次第に圧力が高まっていて、明らかに方針転換を準備している。週末以来、与党は野党や様々な公的な機関と、感染爆発との戦いのために、より大幅な全権を可能にする緊急事態法について交渉している。

このコロナウイルスとの戦いこれまでほとんど、禁止ではなく、穏やかな言葉や人々の良識に訴えるような、行動の要請レベルで行われてきた。こうしたやり方は今後変わるかもしれない。健康保健大臣のLena Hallengrenは新しい法律を金曜日までに議会に通過させたいとしている。

「課題となっているのは、政府や地方自治体、疫病対策医などが命じることができるような対策です。例えば、公共交通機関の制限、ショッピングセンター、レストラン、また現在の法律では50人まで集まることのできるその他の場所の閉鎖です。」

議会を完全に回避するという提案はこの間退けられた。政府は更に自発的な対策を制定する可能性もある。しかしそうした対策は野党によって検討され、変更され、あるいは阻止されるかもしれない。

社会民主労働党と緑の党はそうして民主主義を空洞化している、という批判をHallengren大臣は否定している。「私は議会から権限を奪っているとは考えていません。我々は特殊な状況にある。我々が今まで一緒にまた迅速に決断できたとしても、このプロセスは時間を必要とします。いくつかの対策は数時間の内に制定されなければなりません。しかし勿論議会が議決や規定を間違っていると見なせば、後からこれらを無効にする事ができるようにすることは重要なことです。」

法律が通過すれば、三ヶ月有効である。その後で最悪の事態は終わったと思えるかもしれない。Carl Gustaf 王は昨晩のテレビ演説で危機の克服に直接関わっている人々に感謝し、すべてのスウェーデンの国民を勇気づけようとした。「私は我々の国が被った多くの危機を知っているし、自分でも体験しました。一つ学んだことはどんなに深く長い危機であろうとも遅かれ早かれ終わると言うことです。」