全米ライフル協会に対する告訴
2020.08.07 Spiegel
ニューヨークの検事総長、Letitia James は全米ライフル協会(NRA) を告発した。NRAは最も影響力のあるアメリカの武器ロビー団体である。ニューヨーク州はこの団体の解体を要求している。James検事総長は指導部にいる会員たちが金銭を着服し、私腹を肥やしていると非難している。
検察の調査は18か月に及んだ。三年間を通して6400万ドル以上の被害が生じたとされている。協会の指導層はとりわけバハマへの個人的な旅行や高級レストランでの食事を協会の金で支払った。NRAはこうした非難を根拠がなく、武器所有という憲法に基づく権利への攻撃であるとしている。この告訴はNRA全体に向けられたものであると同時に、指導部の四人の実名のマネジャーに対するものでもある。
James検事総長は、組織の様々な問題はその忠実なメンバーにより長期に渡って隠匿されてきて、「NRAはあまりに巨大になり、指導部が何百万ドルもの金を着服しても、長年にわたってコントロールできないほどになっていた」と述べた。また、「この組織は欺瞞と乱用そのものであり、それ故我々はこの組織の解体を目指している、なぜならどの組織も超法規的ではありえないからである」とも述べた。
NRAはアメリカでの公益団体の資格を持ち、寄付や慈善事業のための特別遵守事項の制約を受けている。更にこの協会は巨大な政治的な影響力を持つ極めて保守的な組織であり、とりわけドナルド・トランプの共和党の忠実な支援団体であると見なされている。James検事総長は民主党のメンバーである。彼女はすでに去年、別の訴訟を指揮していて、これによってトランプの財団の一つは解体された。
同時にワシントンDCの最高検察庁もNRA財団に対する告訴をした。これは財団が寄付金を横領したことに対するものである。NRAは激しく反論している。多くの破滅的な武器による虐殺にもかかわらずアメリカでの武器所有の権利規制が今日までとても緩いものであったのは結局はNRAの強力な影響力の故である。