ベルリンでの反コロナ対策デモ

https://www.spiegel.de/politik/deutschland/berlin-reggae-gegen-rechts-und-pegidaflagge-bei-corona-protest-a-64f85b16-df9c-494f-bf13-212b1d36388c

連邦政府のコロナ対策に反対するデモをするために、ベルリンで爆発的な合流が生まれた。イデオローグたちが不満を感じる人々と一緒に行進した。壇上のポピュリストたちは自分たちの都合のいいように利用している。以下は五つのポイントである。2020年8月1日

コロナ対策に反対するデモの開始にあたってデモ参加者たちは「心の瞑想」のために手を胸にあてた。そして反イスラム愛国者であるTorsten Schulte が歓声の中でコロナ対策による連邦政府の解散を要求した。ほとんど誰も衛生対策を順守していなかったので、デモが解散した時、多くの人が「我々は国民だ」と大声で叫んだ。講演者の一人が自発的なデモを呼び掛けた。以下は抗議の五つのポイントである。

1.多様な人々

ベルリン中部でのデモは、普段なら一緒に通りに出てデモをしないような人々の不統一な人々の混交で成り立っていた。そこでは虹色の旗や反イスラム愛国主義の旗が並んで旗めいていた。ある車の上には「反右翼のためのレゲエ」と書いてあり、その隣では反イスラムの旗を体に巻き付けた若い女性が歩いていた。神秘主義者や種痘反対者もその中にいたが、多数を占めていたわけではない。デモ参加者たちは平和運動の古いスローガンを叫び、シュツットガルト21反対運動を思い出させた。彼らは白髪で、どちらかというと緑の党よりであり、教養市民階級という感じであった。ある通行人が帝国軍旗を見て、叫んだ、「あんたはナチと一緒に行進してるのか」、と。デモ参加者たちはただ、「どうしようもないさ、これが発言の自由というやつだ」、と答えた。

2.ポピュリスト的な雰囲気

デモの行列の最初の車には普段はコロナ政策に反対する自転車のデモを組織化しているシュバーベン出身の男性が立っていた。このMichael Ballweg は自分の妻と一緒に、太鼓の音楽の流れる中でドロップアウトすることの素晴らしさを人々に説いている。多くの人は「馬鹿げた仕事」をやめ、その代わりにほかの人たちと一緒に田舎の農場へ行き、一緒に生活すべきだという。この人間が言うには、自分はどれほどの愛情で人々がここに来ているかを見て圧倒されたと言った。聴衆は「愛」と叫んで答えていた。

3.具体的な批判は無し

最初の車にいたこのカップルは基本的人権を読み上げた。それにたいしてデモ参加者たちは「制限されている!」と答えた。しかしながら話の中では、コロナ危機の現実的な問題、例えば芸術家や自営業者にとっての制約、学生や実習生の不利益などが詳細に言われたわけではない。家族や失業者への影響は高々わずかに触れられただけであり、ほとんど議論はなく、雰囲気が醸し出されただけであった。

4.高まる雰囲気

デモのトリを務めたのは、Thorsten Sculteで、例によってポピュリスト的な言葉を使って話した。かれはタキトゥスを引用し、「多すぎる法律」、「第三者による決定」について話した。彼は1989年のライプツィッヒにおける最初の月曜日のデモを引き合いに出して、その時は誰もまもなくドイツの統合がやってくるなどとは信じなかったと述べた。その後でトーンを下げて「星の王子様」を掲げて、「我々は心でのみ物事をよく見通すことができる」、と言った。そしてデモ参加者を「光の子供たち」と呼んだ。それから何度も攻撃的で鞭打つようなテクノ音楽がスピーカーから流れた。集会が終わろうとする時、壇上の講演者たちは、集会を解散させるよう命令を受けたであろう警官すべてに対して、「命令を拒否」するように訴えた。

5.ポピュリストたちの新たなターゲット

時々感情的な、また時にはポピュリスト的な言葉で、Schulte は多くの、異質な観衆の心に訴えかけることができた。コロナ危機の中でポピュリストたちがいかに新たな、反イスラム愛国主義運動のような可能性をかぎつけているか見て取ることができる。しかしまたイデオローグと、社会的な不満を抱えている人たちを区別する必要もある。不満を抱えている人々はそれぞれの感じ方が異なるために、政治的な場ではむしろ見えにくい。家族、中年の人々、普段はむしろお祭りに行く多くの若い人々、などである。ある男性が叫んだ、「コロナ独裁にはうんざりだ」、そして感情を発散させるのはいいことだ、ともいった。

こうしたすべての人々を陰謀説のイデオローグだと排除するのは、問題の解決にならない。こうした人々が土曜日にかくもたくさん通りに出てきたというには理由がある。ポピュリストたちの成功は、なおざりにされていると感じている住民の一部の雰囲気をうまく掴んでいるというところにある。これはイギリスのEU離脱の際も、反イスラム愛国主義行進の時も同様である。ポロシャツを着て自転車に乗った男性はデモ隊を通り過ぎながら、「馬鹿どもの集会だ」と吐き捨てるように言った。

結論:壇上にいたポピュリストたちは多くの観衆を魅了したことを自慢するかもしれない。10000人が集まったと報告されたが、警察によれば、17000人の参加者があったという。開催者は130万人だとしている。雰囲気は部分的には爆発的な感じもあった。誰もがそれぞれのビデオを撮り、通行人は中指を立てていた。勝者は、帝国の国旗を掲げて戦術的に巧みにデモ参加者に紛れ込み、あちこちに見られた極右でもあった。