ドイツの脱石炭政策
大連立が脱石炭で合意 (Spiegel,July 29.2020)
2038年までに連邦政府は石炭なしで電力を供給する。この方向で連立政府は最終的に合意した。この合意には何十億ユーロもの援助が含まれている。
CSU/SPDの連立政府は長期にわたる交渉の末、計画されていた脱石炭の議論の妥協点を見い出し、合意した。この事案を専門としている主要な政治家が伝えた。この合意は、発電所の転換など何十億ユーロもの促進プログラムを前提している。また、石炭火力発電事業新規参入者のような難しい事例の規定も予定されている。
経済分野での主要な批判点は、石炭火力発電所が2027年以降、連邦政府の元来の計画のままに、保証なしで停止されるべきかどうかということであった。この点をとりわけ新たな石炭火力発電事業者が批判していた。というのもこの事業者たちは最近まで高額の投資をしてきたからである。2026年までに石炭火力事業者は保証を得る代わりに、発電所を停止する申請ができるようになる。
新規参入者の将来像
さらに通信社が提出した文書によれば、2022年、2026年、2029年に2010年以降稼働している石炭火力発電所は、法的な枠組みへの対応が必要かどうか調査される。新規参入者には、申請によって損害賠償を受け取れなかったり、事業転換のための促進プログラムを利用できないような難しい事例のための規定が適用される。この報告によれば、予定されているのはEU補助金に準拠した保証か、同様に効力のある方策である。
とりわけ新規事業者はこれによって水素やバイオマスの利用などの将来的なエネルギー供給への展望が持てるよう期待されている。電力温水統合供給システムのための基本的条件はいわゆる石炭代替ボーナスによって明確に改善される事になろう。この電力温水統合供給(KWK)システムでは、電力と温水の供給が一つの施設で統合される。
これによって金曜日に脱石炭のための中心となる法律が、連邦議会と連邦参議院で予定通り議会の夏の休み前に可決されることになる。具体的には、少なくとも2038年までの脱石炭への具体的な行程と構造強化のための法律である。
褐炭企業への何十億ユーロの保証が予定されている
前提されているのはノルトライン=ベストファーレン、ザクセン=アンハルト、ザクセン、ブランデンブルクの石炭地域での経済の転換を援助するための総額400億ユーロの連邦の援助である。構造強化のための法律は脱石炭の法律と結びつけられている。とりわけ東ドイツの石炭産地の州大統領たちは連立政府に急ぐように要請している。
褐炭火力発電所が早期に営業を停止すれば、数十億ユーロの保証が受け取れることになる。
一年半前には、政府によって立ち上げられた、経済界、組合、学者、環境団体の代表者による委員会は2038年までに大気汚染を引き起こす石炭による電力供給からの離脱を提案していた。連邦政府はこの案を実行に移すことを宣言していた。