なぜドイツのコロナウイルス死者数は少ないのか

教育研究省大臣のKarliczekと共にシャリテ・ウイルス研究所のウイルス学研究者のChristian Drostenはドイツにおける比較的少ない死亡率についてコメントし、新たな研究のネットワークを紹介した。(March 28. Der Spiegel)

ドイツでの死者数がこれほど少ないのは,我々が極端に多くコロナウイルス検査をしているからです、とベルリン大学シャリテのウイルス学者であり、政府の顧問でもあるChristian Drostenは今日の午後述べた。

ドイツでは目下1週間ごとに50万以上のコロナ検査が実施される。シャリテの理事長であるHeyo Kroemerが補足するところによると、ドイツは感染爆発に襲われた他の国々よりも早くコロナ検査を始めた。ドイツではコロナウイルス感染が始まる前に検査を準備する時間が余計にあったからだ。

連邦保険医協会(KBV)のAndreas Gassen は後の記者会見で、3月9日から今までドイツでは41万の検査が実施され、1週間で36万件の検査が可能であると述べている。更にKBVで把握されていない大学の実験室での検査のキャパシティに余裕がある。Drostenは恐らくこのことを踏まえ、より多い検査数について言及したのである。

検査そのものは死者数を減少させるものではない。しかし検査される人が増えることによってより正確な全体状況が分かる。曖昧な数字が高いと、死亡率が高い方へとイメージが歪んでしまう。とりわけ罹患した人が多く検査を受ける場合はそうである。それに反して、症状の重くない人がたくさん統計に入ってくると、相対的に死亡率は下がる。

しかしながらこうした関係は直ぐに変化するかもしれない。イタリアの例を見ても、特に重症患者が検査を受ければ、統計は変化する。ドイツでも、感染者数が増えれば、重症者がより増加することを考えておかねばならない。

ベルリンでの記者会見で、医師たちは研究教育大臣のAnja Karliczek (CDU)と共に、新しい研究ネットワークを紹介した。この「ナショナルタスクフォース」は大臣によれば、患者を可能な限り救うために最も効果的な理念と処方箋を開発する事になる。これは連邦教育省と研究ネットワーク、大学病院の新しい連合体である。そのきっかけとなったのは、Karliczek大臣によれば、力を結束させるように要請した首相からの電話であった。

教育研究省は1億5千万ユーロを投じてネットワークの構築を支援する事になる。大学病院はその後、感染爆発についての方策についての蓄積された情報の交換を始める。更に、患者の病歴と状態についての全体層を把握するために、新型コロナウイルス(Covid-19)患者すべてのデータを作成する事が求められている。

発起人である、シャリテ理事長Heyo Kroemer、ウイルス研究部門長Christian Drostenはこの情報収集によって感染爆発の管理、ワクチンやセラピーの開発についての認識が得られることを期待している。「大学病院は特に患者に密接に関わり、その患者の研究についても同様です」とDrostenは説明している。そして、他の研究ネットワークや政治との協力によって新しい局面により早く対応できるだろうとしている。

Drostenによれば、公的な生活の制限はしかるべき時点で、段階的に解除される事になる。Drostenは具体的な時期を挙げないまま、「無論解除されねばならない」と述べている。まず、どこで、どういう人にこの解除が当てはまるのかが宣言される必要がある。学問的には、予告モデルが必要とされている。単に老齢の人間のようなリスク集団を隔離するだけのような対策は機能しないだろうと言うことである。