コロナ危機の中での難民の海難救助
ドイツの難民救助団体がシリアの近くでボートに乗った難民を救助して漂っている。マルタとイタリアは怒っていて、船の属するドイツも当惑している。しかし難民は、コロナウイルスするについて知らず、内戦を逃れるために増加している。
地中海で捕らわれる April 4. Spiegel
アランカーディの活動家はコロナ危機にもかかわらず地中海で150人の人々を救助した。ドイツ政府は驚愕した。マルタとイタリアはこの行動を断罪した。そしてどこも避難民を入港させていない。
ドイツの内務省の最後の警告は今週の月曜日の午後17時15分に届いた。「あなた方は、地中海領域であなた方を受け入れる港はないということを前提としなければなりません」、とある部門の長の手紙には書いてある。イタリアはすでにアランカーディは入港できないと言うことを伝えていた。ドイツの海難救助者たちは引き返すべきであると。活動家たちがこのニュースを読んだとき彼らは呆然とした。
ドイツの役人たちが知らなかったのは、この時点でこのアランカーディのボランティアたちはすでに150人の移民を救助して、船内に確保していたということである。引き返すには遅すぎる。
クルーたちは月曜日の朝早くリビアの海岸の前で水平線に最初の木製のボートを発見した。その中には68人の移民が乗っていて、そのうち20人は未成年であった。救助者は報告書にこのように書いている。アランカーディは、高速艇が近づいてきたときにちょうど端艇を海面にに下ろしたところだった。高速艇がリビアの旗を上げ、4人の男がそこに乗っていた。明らかに彼らはリビアの移民から金を巻き上げる民兵であった。アランカーディの証言によると男たちは警告射撃をした。そしてビデオでわかるように、攻撃的なやり方で移民の木製ボートの周りに近づいた。
リビア人たちがそのボートに乗ろうとするとパニックが起こった。難民達は海に飛び込み、そしてアランカーディの端艇に向かった。アランカーディの救援者たちは、待て、と言って、救助ベストを海面に投げ、この人々を最終的に船内に引き上げた。
アランカーディは39メートルほどの長さしかない船である。2度目の救助をして、その船には150人の人間が所狭しと載っていた。これほど多い数は以前はほとんどなかった。大部分はバングラデシュとモロッコから来た難民であった。
船は完全に満杯状態であり、救助者自身は海上にいた。他の民間の船で現在地中海で漂流者を探している船はいない。他の援助組織はコロナ危機のために出航できなかったり出航しようとしていなかった。
この援助団体Sea-Eyeは、こうした警告にもかかわらずあえてそれをした。見方によってはこのクルーたちはとてもナィーブかあるいは理想主義的な行動をしている。今彼らは入港できるように戦っているが、この航行がオデッセイの物語のように彷徨を繰り返す旅になる危険性がある。
アランカーディが出港してからまもなく、マルタとイタリアはいわゆる口上書をドイツの役所に送った。そのメッセージは、ドイツの旗を掲げるアランカーディは入港できる港を見つけることができないだろう。コロナ危機のためにそれは不可能である、というものであった。
火曜日の夜にイタリア政府は独自に、この健康上の緊急事態が続く限り、イタリアの港は外国船にとって安全な場所ではない、という布告を出した。そして、我々は移民の衛生管理の保障ができない。また船内でのコロナ感染の可能性も指摘している。
この布告は海難救助者の活動を総じて疑問に伏している。イタリアの国籍の船でないのなら、何ヶ月もイタリアに入港することができないだろう。イタリアとマルタでどれほど人が激怒しているかは、火曜日のEUの内相の電話会議で示された。マルタやイタリアはその会議でアランカーディのやり方を断罪したとブリュッセルでは言われていて、ドイツは旗国として責任があるのだとされた。
海難救助者の方から見ればこの状況は2019年夏のCarola Rackete が当時の外相のMatteo Salviniと戦ったときの状況と似ている。マルタとイタリアは再び船をブロックしている。ただ今回は、Salviniの功名心が問題なのではなく感染爆発である。さらなる行き詰まりが始まりそうである。
役所の激しい反応は海難救助者を驚かせた。われわれはこのミッションが以前のいかなる時よりも難しいと知っていました、とSea-eye の代表者のGorden Isler は述べた。出港の決定については内部で長いこと議論しました。私はしかし内務省がこれほどはっきりと救出を止めるように要請するとは考えていませんでした。彼によれば、この組織は現在、Salvini時代にもなかったような憎しみを受けているという。
また、Sea-Watchもこの膠着状態を慎重に観察している。この海難救助団体は自分たちを政治のおもちゃの様に感じている、とスポークスマンのRuben Neugebauer は述べている。イタリア政府の反応が激しかったのはアランカーディがドイツの船だったからであろう。イタリアの政治家は何週間もの間ドイツがコロナ危機に連帯感をほとんど示さなかったことを罵倒していた。そしてよりによって今、ドイツの船がイタリアの港に難民たちをイタリアの港にに連れてこようとしているのだ。
世界中で難民の権利はコロナ危機のために抑圧されている。多くの難民は砂漠やヨーロッパの国境で動きが取れなくなっている。またHorst Seehoferによって交渉が行われたヨーロッパの移民配分の政策は保留されたままになっている。このコロナ危機の中ではこの政策はもはや機能しない。国境は閉じられてしまっているからだ。
もはや港が閉じられてなくてもコロナウィルスはすでに海難救助者達を妨げていた。いくつかの救助団体の医師たちは船での仕事の代わりに病院で働いている。そして船のクルーたちは外出禁止や隔離規定のために船に乗ることができない。
アランカーディの今後については、別の救助船がそもそも出航できるかにかかっている。マルタとイタリアが厳しい措置を取り続けるならば、リビアの海で人間の命が失われることになるかもしれない。「海難救助はコロナ危機の中でも、犯罪ではない。」とドイツの左翼の議員であるAndrej Hunkoは言い、欧州委員会は救助された人々のヨーロッパ諸国への配分を調整すべきであるとしている。
リビアでは3月には800人の移民と難民たちがボートで危険を承知で出航した。ボートで逃れる人が減少するだろうというような兆候は無い、とこの地域担当の国連難民高等弁務官のBincent Cochetelは述べている。内戦はかつてないほど激しくなりコロナの問題はほとんど気に留められていなかった。
過去には少ないながらもいくつかの合法的な逃亡のルートが存在したが、今はそれは閉鎖されれていると、彼は言う。「運び屋たちがこの状況を利用しようとするでしょう。ほとんど現場に海難救助者たちがいないことで、彼らを制することはできないでしょう。彼らは平気で嘘をつくでしょうから」。
良い天気のために再び特にたくさんのボートが出航している。リビアの沿岸警備隊ですらコロナウィルスのへの恐怖から救助をはっきりと拒否している。「我々は救助活動を始めることができない、なぜなら我々には乗務員のためのマスクがないからだ」、と沿岸警備隊の一人はNGO Alarmphoneに電話で答えた。
かつてリビアの運び屋たちはしばしば安いゴムボートを使っていた。現在彼らはたくさんの移民や難民をより高い木製のボートで送り出している。難民のいくつかのグループは自分の力でヨーロッパまでたどり着く。
イタリアの島のLampedusaには、月曜日以来150人以上の人々が到着している。島の住民は警告を受けている。収容施設はいっぱいであると市長のToto Martelloは言っている。そのため明日からは政府から船の派遣を要請し、到着する移民や難民を隔離するつもりである。彼は他にすること思い付かない。結局コロナウイルス対策の規則はイタリア人にも移民たちにも同様にに当てはまる。
アランカルディは現在Lampedusaから数キロ離れたところにいる。これまでは難民の誰も病気の兆候を示してはいない。乗組員はローマで燃料、食料、医薬品を要請した。Gorden Islerはイタリアの緊急事態には理解があると述べている。しかし乗船してる人間の命はヨーロッパ人の命と同様に守られなければならないでしょうとも述べている。